リオが生んだ一大流派

ABADÁ-CAPOEIRAは”Associação Brasileira de Apoio e Desenvolvimento da Arte-Capoeira”の略で、「ブラジルカポエイラ芸術支援・発展協会」と訳され、カポエイラの実践を通じてブラジル文化を広め、支援することを目的とした非営利団体です。1988年にメストレ・カミーザによって設立されました。その拠点をブラジルのリオデジャネイロに置き、ブラジル全州と世界60か国に、41,000人を超える会員を擁しています。ABADÁは、その確立された練習法と哲学から現代の多くのカポエイラ流派に影響を与え、今日では世界最大のカポエイラ団体の一つとされています。
ブラジル国内外では大会、ワークショップ、昇段式などが開催されており、本国ブラジルで二年毎に開催される世界大会では、各国を代表する選手が技を競うとともに国際交流を深めます。

メストレ・カミーザ

メストレ・カミーザ(本名:ジョゼ・タデウ・カルネイロ・カルドーゾ)は、ブラジル北東部のバイーア州内陸部の農場で、9人の兄弟姉妹と育ちました。カポエイラ2大流派のひとつであるカポエイラ・ヘジオナウの門下生であった兄のカミーザ・ホーシャに続き、自らもメストレ・ビンバの門下生となり、カポエイラ・ヘジオナウを修めました。

70年代初頭、兄と共にオロドゥン・マレー(パフォーマンス一座)の座員として、1年間のブラジルを巡業していた際にリオデジャネイロを訪れると、そこを新天地として、師の教えと自らの経験を元に独自のカポエイラの追求を始めました。大柄な相手とも対等にカポエイラで戦う術を見出すと、それを指導に反映させることで、カポエイラの格闘技的な側面を向上させ、今日では世界有数の師範として認識されています。